つかいすてカメラ
フィクションの中の ノンフィクション。
2007'02.12.Mon
タングラムの壁。
正方形をかたどる、何枚かのプレートを
様々に組み替えていろんなものを作って行き
どんどんとストーリーを展開する。
このコントの前に、世界一悲しいお好み焼きを作るため、
材料となるものの願いを一年間叶えてやった悪魔の話があった。
一年間、人間にされていた材料…卵や青海苔、小麦粉たち。
元に戻るとき、それらはすべて涙を流した。
もとになんて戻りたくない
手に入れたものを手放したくない、と。
卵は語る。
「一年間だけ人間になりたい、といいました」と。
「悪魔は、『お安い御用だ』と言って、両手に火を灯し、
その火を見ていると…気が付いたら1年間だけ人間になっていました」
キャベツも卵と同じように人間になって、人間に恋をした。
だけどもう時間が来てしまう。
かなしい、別れ。
最後に出てきた鉄板は語る。
「悪魔の願いはこうです。
一度人間になった彼らは、『別れ』を経験します。
『別れ』とは、悲しいものです。
悪魔はそんな悲しむ彼らで、『世界一悲しいお好み焼き』を作ろう…
そう思ったのです」
話をタングラムの壁に戻そう。
始めは夜の九時。(これもプレートで作られるのだけど)
どんどんと話が展開されていく。
夜中の三時になり、世界地図が現れ、
日本地図が現れる。
「世界の東の端っこ、その島国に、ぽつねん、と…」
矢印をつくり、その先にひざを抱えて座り込む、小林賢太郎の演じる「男」。
「男」はつぶやく。
「寂しい…」
と。
明け方六時前になる。
「今日も、誰にも会えなかったなぁ」
それから、その六時前をあらわすパネルを動かす。
三角形を、ふたつ。
そして「男」は おもむろに語りだす。
「そうそう、あの世界一悲しいお好み焼き、あれね、失敗でした。
しょっぱすぎたんです。
次は世界一悲しいパスタに挑戦します。」
ああ、とここでまずひとつ仕掛けが分かる。
「男」は、その、ふたつの三角形の中心に立つ。
「ところで…」
すっ、と手をひろげる、「男」。
「何か、ねがいごとは ありますか?」
「男」…いや、「悪魔」の両の手のひらから
ぼう、と、真っ赤な炎が、あがる。
幕が下りる。
思わず、歓声が。
ほんと、天才だと思った。
それと同時に、彼の描きたかったものが
手の内に入らないことが悔しくもあり嬉しくもあった。
別れは、辛くて悲しいもの。
別れを作り出す「悪魔」が
あまりにも綺麗で
でも 悲しかった。
ずっとずっと ずっとずっと
世界の隅っこの島国のそのまた隅っこで、ずっと一人で、
誰かと会いたくて、ぽつねんとたたずむ、悪魔が
一番かなしいんだろう さみしいんだろうな。
とかさぁ。
ほんとうに彼の切り取るちょっとの部分は
その後ろにあるたくさんの世界を想像させてくれる。
想像したってしたって、追いつけない世界だけど。
孤独を、コントっていう芸術にしたんだな。
「この男、仕掛けあり」っていう煽り、
このカッコつけすぎなジャケット、
ぜーんぜん大げさじゃないんだもんなぁ。
良いものを観ました。
DVDになってくれてよかった!
もう一つのソロコント、「maru~○~」のラストも
また静かに泣かせてくれたので、それはまた次に。
正方形をかたどる、何枚かのプレートを
様々に組み替えていろんなものを作って行き
どんどんとストーリーを展開する。
このコントの前に、世界一悲しいお好み焼きを作るため、
材料となるものの願いを一年間叶えてやった悪魔の話があった。
一年間、人間にされていた材料…卵や青海苔、小麦粉たち。
元に戻るとき、それらはすべて涙を流した。
もとになんて戻りたくない
手に入れたものを手放したくない、と。
卵は語る。
「一年間だけ人間になりたい、といいました」と。
「悪魔は、『お安い御用だ』と言って、両手に火を灯し、
その火を見ていると…気が付いたら1年間だけ人間になっていました」
キャベツも卵と同じように人間になって、人間に恋をした。
だけどもう時間が来てしまう。
かなしい、別れ。
最後に出てきた鉄板は語る。
「悪魔の願いはこうです。
一度人間になった彼らは、『別れ』を経験します。
『別れ』とは、悲しいものです。
悪魔はそんな悲しむ彼らで、『世界一悲しいお好み焼き』を作ろう…
そう思ったのです」
話をタングラムの壁に戻そう。
始めは夜の九時。(これもプレートで作られるのだけど)
どんどんと話が展開されていく。
夜中の三時になり、世界地図が現れ、
日本地図が現れる。
「世界の東の端っこ、その島国に、ぽつねん、と…」
矢印をつくり、その先にひざを抱えて座り込む、小林賢太郎の演じる「男」。
「男」はつぶやく。
「寂しい…」
と。
明け方六時前になる。
「今日も、誰にも会えなかったなぁ」
それから、その六時前をあらわすパネルを動かす。
三角形を、ふたつ。
そして「男」は おもむろに語りだす。
「そうそう、あの世界一悲しいお好み焼き、あれね、失敗でした。
しょっぱすぎたんです。
次は世界一悲しいパスタに挑戦します。」
ああ、とここでまずひとつ仕掛けが分かる。
「男」は、その、ふたつの三角形の中心に立つ。
「ところで…」
すっ、と手をひろげる、「男」。
「何か、ねがいごとは ありますか?」
「男」…いや、「悪魔」の両の手のひらから
ぼう、と、真っ赤な炎が、あがる。
幕が下りる。
思わず、歓声が。
ほんと、天才だと思った。
それと同時に、彼の描きたかったものが
手の内に入らないことが悔しくもあり嬉しくもあった。
別れは、辛くて悲しいもの。
別れを作り出す「悪魔」が
あまりにも綺麗で
でも 悲しかった。
ずっとずっと ずっとずっと
世界の隅っこの島国のそのまた隅っこで、ずっと一人で、
誰かと会いたくて、ぽつねんとたたずむ、悪魔が
一番かなしいんだろう さみしいんだろうな。
とかさぁ。
ほんとうに彼の切り取るちょっとの部分は
その後ろにあるたくさんの世界を想像させてくれる。
想像したってしたって、追いつけない世界だけど。
孤独を、コントっていう芸術にしたんだな。
「この男、仕掛けあり」っていう煽り、
このカッコつけすぎなジャケット、
ぜーんぜん大げさじゃないんだもんなぁ。
良いものを観ました。
DVDになってくれてよかった!
もう一つのソロコント、「maru~○~」のラストも
また静かに泣かせてくれたので、それはまた次に。
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