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つかいすてカメラ

フィクションの中の ノンフィクション。

2025'07.20.Sun
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2007'04.19.Thu
久しぶりのともだちに、会った。

何の目的もなく誰かに会うのが久しぶりだった。
ただ一緒にごはんをたべて おしゃべり
こういうだらだらが大好きだったのに
まあ今のあたしたちには仕方がない、と思う。


彼女とのおしゃべりは 二時間のインターバルをはさんで
夜まで続いた。

彼女は いいにくそうにあたしにこういった。

「あたしってさ、あの子のなんだと思う?」


あたしに聞いたってどうしようもないことは
きっと彼女もわかっていると思う。
賢い彼女のことだ、それは分かってるはず
だけどそれ以上にまっすぐで、純粋なくせに、
甘えるのがへたくそで、
いろんなことを知りすぎている彼女は
よどみにはまってしまったんだな、と思った。


彼女と「あの子」の関係性を知っているあたしでも
「あの子」のことを知っているわけではない
彼女が喋る「あの子」のことしか知らないから
なんともいえない、というのが正直なところだった
けど。


あたしなりに回答はした。
多分間違っても正解でもない回答。

「とくべつなんじゃない?」


多分そうだ。だけど全くもって抽象的な回答。


あたしに言える精一杯だった。


正直、彼女から今日そんな話を聴くとは思ってなかった。
あたしが話すばかりかなと思っていたけど
彼女もまた、誰かに聞いて欲しかったんだろう。


話しながら彼女の手は震えていた。
怖かったんだろうな。
分かるよ、あたしも、そうだ。


あたしに否定されるとかそういうのが怖かったんじゃないと思う。
ただ単に自分の気持ちを口に出すことが怖いって
その結果が怖いんじゃなくて、口に出す行為自体が怖いって
そういうことって、あるもん。


彼女は「あの子」の何になりたいのか、なんて分からないけど
少なくとも 特別がいやなわけではなさそうだった。


特殊な関係では ある、と思う
だけどあり得ない話じゃない、とも思う。
過去に特別であった関係ならば、余計に。

あたしはそうはできないから ちょっとうらやましかった。


恋愛は理想化。愛は存在。


いろいろと 失敗したからこそ今がある、と
彼女には そう思って欲しいと願う。

今の自分を必要としてくれる人がいる、ということだけでも
とてもしあわせなことだ、と。


だけど。


はっきりしないものがそばにあること
自分がはっきりできないこと
自分の力じゃどうしようもないこと

それが歯がゆくて仕方ないんだろう。



その気持ちも、分かるから なんともいえなかった。

「あの子」が言うことはきっと嘘じゃないと思う。


「はっきりせんことも、あるよね」
彼女は最後にそう言って話を締めくくった。


諦めの顔をした 答が出ないことへの諦めだ。


仕方ないのかな、と思いながら まだもやもやしたものが残っている。



あたしも その答えを探している途中だから
だから。


何だっけ あたし。
誰かにとってのあたし 存在価値 存在意義 存在の名前
ポジショニング。


欲しいポジションは分かっていても
存在価値がほしくても
存在に名前をつけたくても。


はっきりしないね、のひとことで
終わらせたり 逃げたり って
いいのかな、だめだよなぁ、のくりかえし

いい悪いなんてその場によって違うし
なんとも判断できないけど


けど、だ。


けど、って言いたい。
ってこと。



肌寒くなって彼女とは別れた。


今日の話が彼女の何かになればうれしい。
あたしには少なくとも「なにか」に、なったよ。
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