a litlle trip

この2、3日で思い出したことがいくつもある。

たばこが異様なほど　嫌いな理由も。
それを思えば　ずいぶんと　平気になったものだ
とは　思うけど

今でもやっぱり　目を瞑りたくは　なる。
あの　紫煙と　とんとん、というしぐさ　赤い灯。


何日か前に　右手の薬指がやかんにぶつかって
やけどを　した。
せっかく左の手首のやけどが治ったっていうのに。

あたしは自分でも驚くほど　やけどに鈍い。
熱い、と思った瞬間に　冷やすことが
どうしてもできない。
冷やさなければ後で大変なのは分かっているんだけど
どうしてもすぐ冷やさなくちゃ、と思えない。

おかげで今回もひどい水ぶくれになった。
もうつぶれて　あとは治るだけだ。

「どんくさいなぁ」って　笑ってくれる人がいるだけ
まだ　マシだなぁ、と思う。

はやく絆創膏をはがして　そとの空気にあててやりたい　けど
どうも傷跡を見るのが　苦手だ
そっとしておいてやれなくなるし　何か力が抜けるし
なんとなく悲しい気持ちになるし


タバコがただ単に嫌いなだけなら　よかった
確かに煙いのは嫌い　だけど。


それだけじゃなかったんだなぁ。


心の中を占めているものが何なのかなんて
自分でも分からないもので


もっとほかの事でいっぱいだったあたしの幸せな心は
どこへ行くこともなく　そこにあるけど
そのかわり　ほかのものだって　どんどんふくらんでくんだ


あいたいなぁ。


ちいさくちいさく　つぶやいた本当の声だって
本当か　どうか　とどくか　どうか
わかりゃしないんだ

だけど　言わなきゃ絶対届かないから
口に出せば　もしかして　届くかもしれないから


ぜったい、と　もしかして、は　ずいぶんな差だと　思う


こわくて　口には　出せない
まだ、出せない、とも言えない
だっていつになれば出せるか分からない


それこそこのまま忘れてしまうかもしれないのに


あたしが後悔をしてこなかった理由の一つは
多分　コレだろう

なかったことにする　あざとさ。
ばかみたいだ


やけどの跡はまるで三日月みたいにくっきり
腕に残っている。


たばこの嫌いな理由が分かったって
好きにはなれない。　どうしたって　改善できない
しようともしたくない。


忘れちゃっててもむりだったんだ


さて　そろそろ　たちあがら　なくちゃ。