それならいっそ、君の中に僕の螺旋を。

素敵な音楽と素敵な声に来いをしました。
さいこうでした。

ステージの上でさっきまであたしをぶるぶるがくがくさせてた声が
あたしの月並みな「よかったです」に
「ありがとうございます」とのどを震わせた。
それにまた感動してあたしも震えた。
すっと差し出してぎゅっと握ってくれた手は
さっきまでステージの上でギターをかきならしていたもので、
思ったよりきれいでやらかかったそれは
もう何か、これでいい、と思った。
泣きそうだったよ、本当に。


螺旋。


ループ。


あたしがほんとに望んでたのは何だったのかな。


行為には好意が伴って初めて意味を持つもので
好意がなくたって行為は可能だという。


少なくともあたしが望むような好意はなくたって
たぶんかまわないのだ、多くの人は。

あたたかくて　やわらかな　それ、が
あたしは酷く心地がよくて手放せなかった。


おかしい、と頭の片隅で考えたけど
おかしい、って、何がおかしいんだ、と思った。


繰り返される　それに　思考をとめた。


今このとき、それが正解なのかな、と思ったけど
それこそ都合のいい言い訳で
何を選んだって、あたしが経験してきたすべてのことは
「なかったこと」にはあたしは　できないし　しないと思う。
そのかわりに　過剰に意味も持たせないようにしようと　思う


その考え方はちょっとおかしいよ、と　友達は言う。


分からない。
スタンダードラインが　アベレージが　分からないから
あたしはあたしが心地よいと思ったとおりに動くしか出来ない。


嫌じゃないよ。


それだけが確かに言葉に出来ること。


その先は、わからない、のかな。とりあえずは。


いろんなことで　感傷的になっている。
しかしながら、このセンチメンタリズムに従っていては　いけない。


だけどたぶん、後悔するかしないかは
後にならなくちゃ分からない。というのと
あたし　後悔なんか　したこと　ない。ほとんど。
という自信が変にあるので


間違ったことをしているつもりもない。


誰かを傷つけても別にかまわない。
（これは私情がたっぷりだ）


自分も傷ついてもかまわない
いまさら一つ傷が増えたくらいどーってことない。


今は　まだ　螺旋が　こんがらがっていて　まっすぐでないから
考えられないけど。


あたたか　で　やわらか　で


ひどく　ずるい。